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6/12(土)「メディアが語る~53年前のカネミ油症事件に関わる現場を取材して」を開催

6月12日(土)、YSCはカネミ油症被害者関東連絡会と共催で、イベント「メディアが語る~53年前のカネミ油症事件に関わる現場を取材して」を開催しました。池袋にあるIKE・Biz(エポック10)研修室2を現地会場として、登壇者を含む参加者をオンライン(zoom)で結ぶハイブリッド方式でおこない、約60人が参加しました。

今回は、ルポライターの明石昇二郎さんがコーディネーターとなり、パネリストに長崎新聞(山田貴己さん、三代直矢さん)、 西日本新聞(竹次稔さん)、 朝日新聞(奥村智司さん)、神戸新聞(小尾絵生さん)、KBC九州朝日放送(花田明男さん)から6人の記者を迎えました。
進行は、基本的に明石さんが用意された以下の4つの質問に対して、パネリストの方々が1人ずつお答えになるかたちで進められました。

  1. カネミ油症取材を通じて感じた「最大のストレス」は、どんな体験によるものですか?
  2. なぜ報道各社は右から左まで揃って、被害者たちに味方したと思われますか?
  3. カネミ油症が他の公害被害と比べて特に異なっていると思われるポイントはどこで、また、今後の報道にとって教訓となることにはどのようなものがあるでしょうか?
  4. 福島第一原発事故による健康被害の問題を考える際、カネミ油症事件報道の経験や教訓から何か参考になることはないでしょうか?

1つひとつの問いに対して、各自の取材経験に基づき率直にお話いただいたことで、カネミ油症問題を多面的に理解することができました。また、記者の皆さんがこの不条理で惨い問題と真摯に向き合い、悩みながらも強い使命感を持って、この問題を社会に発信されてきたことがストレートに伝わってきました。

イベントの様子については、『長崎新聞』で取り上げられました。

『YSC ニュース』68号を発行

YSCの会報『YSC ニュース』67号を発行しました。
会員のみなさんには、年4回、会報をお届けしています。
この機会にぜひ、ご入会ください。

『YSC ニュース』68号(2021.05.20)目次

  • 次世代調査について全国連絡会・YSCで厚労省と意見交換 [1]
  • 次世代被害者調査の進捗状況 [2]
  • 厚労省による次世代調査の意義と期待 [3]
  • 「メディアが語る~53年前のカネミ油症事件に関わる現場を取材して」開催 [4-5]
  • 会計報告と会費・カンパのお願い [6]
  • 事務局からのお知らせ [7]
  • 活動報告・活動予定・編集後記 [8]

『YSCニュース』バックナンバー目次

6/12(土)「メディアが語る~53年前のカネミ油症事件に関わる現場を取材して」のご案内

重要なお知らせ

このイベントは「エポック10フェスタ2021」の一環で開催する予定でしたが、緊急事態宣言の延長のために全体イベントは中止となりました。
これにともない、会場は当初予定していた「多目的ホール」が使えなくなり、同じビル内の定員の少ない「研修室2」に変更いたします。
すでに会場参加のお申込みは定員に達しておりますので、6/1以降にお申込みされる場合は、オンライン(Zoom)参加のみとなります。お申込みの締切は6/8(火)までといたしますので、ご了承ください。


メディアが語る~52年前のカネミ油症事件に関わる現場を取材して

チラシ

  • 日時
    2021年6月12日(土)13:30~16:00
  • 場所
    IKE・Biz(エポック10)6階 研修室2
    (豊島区西池袋2-37-4、池袋消防署の隣のビル)
    オンライン(Zoom)開催
  • 参加費
    無料
  • プログラム
    1.記者の皆さんに聞く(事件との出会い/事件を追いかける/あなたにとってのカネミ油症事件とは?)
    コーディネーター:明石昇二郎(ルポライター)
    マスコミ各社:長崎新聞、西日本新聞、朝日新聞、神戸新聞、KBC九州朝日放送
    2.参加者討論会
    3.質疑応答
  • 会場参加申込み方法(先着順50名、保育あり、5/6(木)から受付開始)
    1)イベント名、2)氏名(ふりがな)、3)電話番号、4)住所(豊島区または区外)、5)保育を希望される場合、幼児名(ふりがな)、6)年齢(○歳○ヶ月)、を記載のうえ、豊島区男女平等推進センター(エポック10)宛てにメールでお申込みください。
    会場参加メール受付用アドレス→A0027117@city.toshima.lg.jp
  • オンライン参加申込み方法(先着順50名)
    以下の申込みフォームにご記入の上、「送信」ボタンを押してください。
    お申込みは6/8(火)まで受け付けます。

    以下のフォームに必要事項をご記入・ご入力のうえ、「送信」ボタンを押してください。
    ※「メッセージは送信されました」と表示されましたら、無事に送信できています。

    開催日(必須)
     ←確認のためご入力ください

    参加形態(必須)

    住所 (必須) 

    • 共催
      カネミ油症被害者関東連絡会、カネミ油症被害者支援センター(YSC)、エポック10フェスタ実行委員会

    「カネミ油症事件」ってなに?まだ終わってないの?
    22年前に池袋のごみ清掃工場建設反対運動に関わった区民の女性が、エポック10と共に「生殖の健康」の視点からカネミ油症被害者の救済運動に積極的に関わってのイベントです。

    53年前、猛毒のPCB・ダイオキシン類が混入した「カネミライスオイル」を直接経口摂取した人々が、北九州市や長崎県五島市などにいます。
    その人々の健康被害は、子や孫にまで及び、事件発生から53年経った今、やっと、国も本格的な次世代調査を行う準備を始めました。

    事件発生当時には最高裁までの大きな闘争がありましたが、被害者の救済は何一つかなえられず、被害者の皆さんは「国から自分たちは見捨てられた」といった心境で、世間からも忘れ去られていました。
    しかし、それから22年後、心あるメディア記者の方々が、被害者の置かれた状況に気付き、寄り添い、被害者への取材から学び、報道することによって、世論を、国を動かし、被害者救済が実現しました。
    メディアの大きな力が被害者救済へと結びついた事例がカネミ油症事件なのです。

    「今のマスコミはダメだ」との批判をよく聞きますが、「カネミ油症被害者救済」という壮大な世直し作業に結集した記者達のことを思うと、それは明らかな事実誤認だと言うほかありません。
    心ある記者達は、今もしっかり存在します。

    記者の「仕事」は裏方作業で、決して“主役”にはなりません。主役はあくまでも事件の当事者だからです。
    しかし、この日のイベントでは、そんな“裏方”の皆さんにスポットを当て、記者の皆さんがどんな思いでカネミ油症事件に関わってきたのかをお聞きします。

    会場参加される皆様へのお願い

    • 発熱・咳など体調の悪い方の参加はご遠慮ください。
    • 必ずマスクの着用をお願いします。
    • 参加前後の手洗い、手指消毒をお願いします。
    • 水分補給以外の飲食はご遠慮ください。
    • 3密を避けるため、受付に時間を要する場合があります。早めのご来場をお願いします。

    ※開催にあたって感染防止対策をおこないます。


    診定委名簿の非公開は妥当と答申

    福岡県情報公開審査会答申第210号として、「カネミ油症患者診定専門委員名簿の部分開示決定処分に対する審査請求」の答申内容が公表されました。
    答申の結論は、公文書に当たる福岡県油症患者診定専門委員の名簿について、氏名・所属名等に関する情報を非公開とした県知事の決定を妥当と判断するものでした。

    診定委員会は、全国油症治療研究班(事務局:九州大学)が設置し、同研究班長によって選ばれた医学の専門家によって構成されます。年1回実施される油症検診の検診結果を診査していますが、その過程はもちろん、委員名や委員の選定基準などは公開されていません。

    被害者は、三者協議などの場で、診定委員会について診査過程などを公開するよう要求していました。しかし、国は都道府県に認定を任せているという立場で、診定委員会の詳細については把握していないといいます。


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    3/30(火)カネミ油症について考える市民講座

    3/30(火)19:00~21:00、カネミ油症などの食品公害に詳しい環境社会学者の宇田和子さん(高崎経済大学)が講師を務める市民講座がオンライン(Zoom)で開かれます。

    この講座は、コロナ禍の昨年6月にスタートした新しい市民講座「梨の木舎ピースアカデミー(NPA)」のうちの1つです。今月から始まった第3期は全部で25コース(1コース全6回)あり、そのうちの環境の視点から平和について考えるコース18「誰ひとり取り残さない環境論―公害・環境問題の当事者性 」の第3回という位置づけです。

    宇田さんが担当される講座の概要は以下のとおりです。


    • タイトル:食品公害と親子―カネミ油症・森永ヒ素ミルク事件の被害
    • 開催日時:2021年 3月30日(火)19:00~21:00
    • 開催形式:Zoom
    • 担当講師:宇田和子さん(高崎経済大学)
    • 講座概要:食品公害とは、製造工程で汚染された食品の摂取により生じる被害です。たとえば森永ヒ素ミルク中毒事件では、汚染された粉ミルクを親が子に与えました。カネミ油症事件では、汚染された油を家族で食べました。さらに、油の汚染物質は次世代の身体にまで引き継がれています。食品公害における親子の関係は、問題解決を阻む要因であると同時に、被害救済を実現しようとする人々の原動力でもあります。この回では、親子の関係をキーワードに食品公害問題の構造を読み解きます。

    誰ひとり取り残さない環境論―公害・環境問題の当事者性

    • [1] 3/2「福島原発事故に引き継がれる問題群」関礼子さん(立教大学)
    • [2] 3/16「水俣病に関わる葛藤と悩みを伝える」永野三智さん(水俣病センター相思社)
    • [3] 3/30「食品公害と親子―カネミ油症・森永ヒ素ミルク事件の被害」宇田和子さん(高崎経済大学)
    • [4] 4/27「ダム事業のこれから―建設予定地に生きる住民の視点」浜本篤史さん(早稲田大学)
    • [5] 5/11「NIMBYは地域のエゴなのか―迷惑施設の立地問題」土屋雄一郎さん(京都教育大学)
    • [6] 5/25「石垣島の環境と開発―空港・基地が奪う自然と文化」山里節子さん(いのちと暮らしを守るオバーたちの会)