1968年(昭和43年)、カネミ倉庫社製の米ぬか油に混入していたPCB・ダイオキシン類を摂取した方々が甚大な食中毒被害に遭われました。自覚症状があって申請を求めても被害者として認定されないケースが多く、また、直接的には油を食べていない子や孫(2世・3世)にも被害が及んでいると考えられていますが、基本的な追跡調査さえ実施されていません。 事件発生から50年以上の歳月が流れましたが、カネミ油症はいまだに終わっていないのです。
私たちはこれまで3回にわたり「化学物質は世代を超える」と題したイベントを開催し、人工化学物質が私たちの生活に及ぼす影響を考えてきました。
カネミ油症事件は、1968年に加害企業であるカネミ倉庫(株)が食用ライスオイル(米ぬか油)を製造する過程で、(株)カネカが製造したPCBを熱媒体として使用し、何らかの原因でPCBが混入した米ぬか油を一般消費者として購入して食べた人々が被害をうけた食品中毒(公害)事件です。
カネミ油症の被害者は、56年経った今も様々な症状や疾病に苦しんでいます。しかも、被害は食べた本人だけでなく、次世代(子や孫)にも及んでいることが明らかとなっています。
現在、国はカネミ油症被害者の次世代への影響を調査しています。この調査は、世代を超える化学物質被害をとらえるために非常に重要ですが、ほとんど知られていません。
こうした現状に対して、まずは被害の実態を周知できればと、カネミ油症被害者支援センターの石澤春美さんと当時のメンバーである水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)が2006年にまとめた冊子『家族の食卓―カネミ油症事件聞き取り記録集』の改訂版を、今年の4月20日に出版しました。この冊子は被害者27家族分の証言を聞いて記録したもので、家族ぐるみの被害のむごさを生々しく伝えています。
今回は、カネミ油症被害者関東連絡会のメンバーに『家族の食卓』からいくつかの家族の聞き取りを朗読してもらいます。その後で、石澤さんと水野さんに聞き取り当時の様子やお気持ちを話してもらいます。会場及びオンライン参加のみなさんに被害者家族の実態をお伝えし、共有した上で、この貴重な冊子をどのように活用していくか、参加したみなさんからご感想やご意見、アイデアをいただき、次のアクションにつなげていきたいと考えています。ぜひご参加ください。
日時:2024年10月5日(土)13:30~16:00
場所:豊島区男女平等推進センター研修室2+オンライン(Zoom)
内容:
参加費:無料 ※保育・手話あり(9/25までに要予約)
定員:会場24名、オンライン50名(先着順、事前登録が必要です)
お申込み:
企画:カネミ油症被害者支援センター(YSC)
後援:カネミ油症被害者関東連絡会、豊島・健康と環境を守る連絡会
共催:豊島区男女平等推進センター(エポック10)
「カネミ油症」のドキュメンタリー映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』(監督:稲塚秀孝)の試写会が、長崎、福岡などで開かれました。
試写会の様子が、メディアで報じられました。
厚生労働省から、令和6年度のカネミ油症に係る検診の日程・場所等が公表されました。
7月11日に五島市玉之浦町でおこなわれた検診の様子が報道されました。
2024年6月21日、福岡市内で油症対策委員会が開かれ、全国油症治療研究班(事務局:九州大学)は、2021年度から進めている認定患者の子や孫らを対象とした次世代健康調査の分析結果を報告しました。
先天性異常として「歯牙欠損」が目立つ傾向があること、卵巣予備能が健常な女性と比べて低い傾向が見られることなどが分かりました。また、中原剛士班長は、次世代はダイオキシン類の血中濃度が高くない傾向が認められ、親世代と同じ基準を当てはめられないことも分かりつつあると述べました。
翌6月22日には、カネミ油症の被害者団体と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による三者者協議が福岡市内で開かれました。次世代被害者の救済に向けた議論が「遅々として進んでいない」という被害者団体から意見が相次ぎましたが、これまでブラックボックスと言われてきた患者認定を判断する研究者らと被害者が直接話す場が設けられる見通しとなりました。
両日の様子については、複数のメディアで取り上げられました。
油症対策委員会(2024.06.21)
三者協議(2024.06.22)
日時:2004年3月2日(土)13:00-16:00
場所:複合型交流拠点 ウィズあかし7階&オンライン
主催:コープ自然派兵庫
共催:カネミ油症被害者全国連絡会、カネミ油症被害者支援センター(YSC)、カネミ油症被害者とともに行動する高砂市民の会(通称 ともに市民の会)