1968年(昭和43年)、カネミ倉庫社製の米ぬか油に混入していたPCB・ダイオキシン類を摂取した方々が甚大な食中毒被害に遭われました。自覚症状があって申請を求めても被害者として認定されないケースが多く、また、直接的には油を食べていない子や孫(2世・3世)にも被害が及んでいると考えられていますが、基本的な追跡調査さえ実施されていません。 事件発生から50年以上の歳月が流れましたが、カネミ油症はいまだに終わっていないのです。
カネミ油症の次世代への影響が懸念されるなか、福岡県・長崎県などで令和5年度の油症検診が実施されました。
7/28(金)NHK(九州・沖縄地方)の「ザ・ライフ」という番組内で「55年目の夏~カネミ油症 次世代調査」が放送されました。
食用油にダイオキシンが混入し、皮膚症状などの健康被害が出た「カネミ油症」。有効な治療法はなく、2,370人が患者と認められている(2023年3月末現在)。これまで患者の子どもにどのような影響が出るのか分かっていなかったが、発生から50年以上たって初めて次世代の健康調査が行われ、先月、結果が報告された。体調不良や、結婚・就職などへの偏見に苦しむ当事者たち。次世代に引き継がれる被害とは何なのか。
2023年6月10日(土)、としま産業振興プラザ(IKE・Biz)とオンラインで「化学物質は世代を超える第2弾」が開催されました。
弁護士の中下裕子さん(NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議代表理事)に基調講演をおこなっていただきましたが、その内容を録画してYSCのYouTubeチャンネルにアップしました。
6/24(土)TBS『報道特集』 では、カネミ油症の次世代への影響に焦点を当てた「引き継がれるカネミ油症」が放送されました。
最近の油症をめぐる問題について、多視点から考えられる良いドキュメンタリー番組でした。
YouTubeにアップされていますので、ぜひご覧ください。
・「黒い赤ちゃん”その後も・・・カネミ油症、次世代が訴える症状【報道特集】」(TBS NEWS DIG)
6月23日、全国油症治療研究班は、認定患者の子や孫を対象にした初めての健康実態調査の結果を公表し、一部の先天性疾患の発生率が一般に比べて高い傾向にあることを明らかにしました。
ただし、この結果だけで油症との因果関係に言及することは難しく、調査を継続してデータを集めると説明しました。次世代の血中濃度などを加味した解析結果は来年2月に報告する予定とのことです。
次世代の救済につながる内容ではなかったため、被害者らには落胆の声が広がりました。
翌24日、カネミ油症被害者・国・カネミ倉庫による3者協議が、福岡市内で開かれました。厚生労働省は「ある程度のデータがまとまった段階で診断基準の改定ができるか検討を進めていくべき」との認識を示しました。
一方、カネミ倉庫は、認定患者が亡くなった際の香典を現在の2万円から10万円に増額する意向を示しました。
2013年に始まった3者協議は今回で21回目でしたが、初めてビデオ会議システムで報道陣に公開されました。
以下に、関連するメディア報道をまとめました。