1968年(昭和43年)、カネミ倉庫社製の米ぬか油に混入していたPCB・ダイオキシン類を摂取した方々が甚大な食中毒被害に遭われました。自覚症状があって申請を求めても被害者として認定されないケースが多く、また、直接的には油を食べていない子や孫(2世・3世)にも被害が及んでいると考えられていますが、基本的な追跡調査さえ実施されていません。 事件発生から50年以上の歳月が流れましたが、カネミ油症はいまだに終わっていないのです。
1月28日(土)、カネミ油症の被害者団体、国、原因企業のカネミ倉庫による三者協議が福岡市内で非公開で開かれました。被害者団体は、健康被害の実態調査が進んでいる患者の子や孫らが救済対象と位置付けられた場合を見据えて、医療費支給のシミュレーションをおこなうことなどを求めました。
以下に、マスコミの報道のうち無料で閲覧・視聴できるものをまとめました。
11月4日、NBC長崎放送の「pint」というローカル番組で、カネミ油症の次世代への影響について放映されました。
12月8日、NBC長崎放送で、特集「カネミ油症事件 今なお続く深刻な被害 影響は子や孫にも 母親の苦悩」が放映されたようです。
『週間金曜日』1403号(2022年12月2日発売)に、ルポライターの明石昇二郎による記事「「カネミ油症被害者救済法」施行から10年:救済法が被害者を「救済」していない―現状が明らかになった「高砂集会」(p.26-29)が掲載されました。
今日における被害者救済の問題が的確にまとめられている記事ですので、ぜひお読みになってください。
カネミ油症被害者救済法(カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律)が成立してから今年で10年を迎えた。だが、被害者救済は滞っている。当事者たちの困惑と怒りの声を聞いた。
カネミ油症に関連する学習会が開かれますのでご案内します。
「エピジェネティクス」って何?
聞きなれない言葉かと思います。
「エピジェネティクス」は、PCBやダイオキシンなどの内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が遺伝子の発現(ON/OFF)に与える影響、それが次世代に引き継がれる可能性などを科学する新しい学問分野でもあります。
この「エピジェネティクス」という、新しい科学の力で有害物質による人類の負の遺産を研究し、被害者の治療や医療救済に役立てたいと思います。
ご一緒に学習をしませんか!
080-5078-2573(佐藤)
長年さまざまな病気に苦しんできたある女性が、2012年にカネミ油症を取り上げた新聞記事を読み、経験してきた症状が油症の特徴に当てはまることを知り、自分はカネミ油症だったのかもしれないと考えました。その年、油症検診を受けましたが、認定されませんでした。
それでも、その方は被害を受けた可能性すら気付かずに苦しんでいる人がいるかもしれないと考え、ご自身の体験を「私はなんの病気?」という紙芝居で表現しました。
そのお気持ちに寄り添い、この紙芝居に関連するウェブ上の情報を紹介します。