2025年6月15日(日)13:30-1600、豊島区男女平等推進センター(エポック10)において、オンラインとのハイブリッド形式で、集会「カネミ油症問題のいま―世代を超える化学物質被害のこれまでとこれから」を開催しました。
シリーズ「化学物質は世代を超える」の第5回目として企画されたもので、参加者数は、会場18名、オンライン17名、合わせて35名でした。
当日のプログラムは、①「カネミ油症事件とは」(YSC共同代表 山岡央)、②ブックレット『15分でわかるカネミ油症問題のいま』の紹介(YSC運営委員 松村正治)、③冊子『家族の食卓[改訂版]』の朗読(カネミ油症被害者関東連絡会 清水さん・上原さん・高光さん)、④被害者の方からのコメント(曽我部和弘さん・下田順子さん)、⑤質疑応答・フリートーク、という構成でした。
ブックレットが、カネミ油症について初めて知る人にもわかるように制作したので、この機会に基本事項を含めて一から学べるプログラム内容にしました。
参加者アンケートでは、「実際に被害者の声を聴くことで、あらためて油症被害の深刻さを痛感しました」「当事者の方々の痛々しい声が胸に迫り、いたたまれなくなりました。国は何としても責任を取り、一人残らず救済すべきです」などの感想が寄せられました。
オンラインで参加された被害者のお二人は、2日前に油症対策委員会、前日には三者協議に出席されておりました。大変お疲れのところ、この集会にもご参加くださり、貴重なご発言をいただきましたことに、深く感謝を申しあげます。
一方、「聞き書きの朗読は初めて聞きました。冷静に読まれるので被害者の心情が伝わり、被害を受けどんなに辛いことだったろうと自分ごととして感じました」という朗読に対する感想も寄せられました。『家族の食卓』を朗読することにより、被害者でなくてもカネミ油症を伝えることに関わることができるのですから、今後もこの聞き書き集を効果的に活用していきたいと考えています。
今回は、カネミ油症問題に詳しい宇田和子さん(明治大学)が、講義の中で勧めてくださったおかげで、学生の参加が多かったです。ほとんどの学生さんはオンライン参加だったので、会場参加していた学生さんにブックレット10冊を託したところ、宇田さんを介して学生さんにすべて配布してくださったとご報告いただきました。ブックレットが、カネミ油症を学ぶ一歩として役立てば嬉しいです。
集会をふりかえると、会場およびオンラインの参加者から、多くの質疑やコメントなどが交わされ、有意義なイベントであったと思います。YSCの中では、今回の企画内容をベースに、議員会館で国会議員を対象に「カネミ油症問題のいま」を伝える学習会を開き、出席者にはブックレットを渡そうという提案も生まれています。
今後は、聞き書き集と合わせてブックレットも活用し、被害者支援に活かしたいと考えていますので、何かアイデアがありましたら、ぜひお知らせください。
(『YSCニュース』83号より)
Last Updated: 2025-11-16 by ysc Leave a Comment
11/29(土)第9回高砂集会ご案内
救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う
カネミ油症の原因物質PCBが製造された兵庫県高砂市で、PCBの製造企業カネカの社会的責任を問いかけるため、油症被害者、高砂市民、支援者、全国からの参加者が集まり集会を始めてから、9年目となります。
今年も、高砂、五島、長崎本土、東京の4つの地区の会場をオンライン(ZOOM)で繋ぎ(高砂会場のみ一般入場可)、各会場から被害者や専門家らが発言するリアル&オンライン集会の形式でおこないます。
化学物質の被害は油症被害者の問題だけではなく、誰にも起こりうる問題です。
よろしければ、ぜひご参加ください。
(チラシ画像をクリックすると拡大されます)
日時
2025年11月29日(土)13:30~16:00
場所
ユーアイ帆っとセンター2F(高砂市高砂町松波町440番地の35)+オンライン
※東京、五島、長崎などの会場とオンライン(ZOOM)で結びます。
※高砂周辺の皆様は、ぜひ現地の高砂会場にご参集ください。(会場参加費500円)
プログラム
今年の集会では、各会場からのリレートークに続いて、3月に逝去された五島市の被害者、岩村定子さんを追悼いたします。
前半は、「被害者から聞く―カネミ油症問題のいま」と題して、三者協議・油症対策委員会の課題、次世代調査の現状、未認定被害者問題について、当事者である被害者から報告していただきます。
休憩を挟んで後半は、「いまの課題とどう向き合い、未来へつなげていくか」と題して、保田行雄さん(弁護士)、友澤悠季さん(長崎大学)に、専門家の視点からお話いただきます。続いて、YSCブックレット「15分でわかるカネミ油症問題のいま」を紹介し、高砂と全国のPCB処理の現状を報告します。
その後、カネミ油症をめぐる現状と課題を確認したうえで、各会場から被害者にお話を伺います。さらに、各会場とオンラインでの参加者から自由に発言していただきます。
最後には、集会での内容を組み込んだ集会声明の採択を予定しています。
オンライン参加申込み・問合せ
オンライン参加を希望される場合は、下記の「ご登録フォーム」のリンクからお申込みください。
申込みの締め切りは、11月27日(木)24:00です。
お申込みいただいた後に確認をした上で、個別にZOOMアドレスをお送りします。
なお、何かご質問などがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
共催
カネミ油症被害者全国連絡会
カネミ油症被害者支援センター(YSC)
カネミ油症被害者とともに行動する高砂市民の会(通称 ともに市民の会)
協賛
生活協同組合コープ自然派兵庫
Last Updated: 2025-10-13 by ysc Leave a Comment
油症制度の日本と台湾の比較が新聞記事に
2025年10月10日、1968年にカネミ油症事件が発覚してから、57年が立ちました。
日本の油症被害者は患者として認定されないと補償されませんが、同様の油症事件が発生した台湾では、登録制度によって被害者救済が進められてきました。
この油症制度の違いにフォーカスした記事が『長崎新聞』に掲載されました。
Last Updated: 2025-09-14 by ysc Leave a Comment
五島市カネミ油症被害資料展示コーナーがYouTubeで紹介
公害資料館ネットワークは、2022年度から「公害資料館バザール」と称して、全国各地の公害資料館を紹介するYouTube動画を制作・公開しています(地球環境基金助成事業)。
このたび、五島市福江島の勤労福祉センター内にある「五島市カネミ油症被害資料展示コーナー」と、五島市立図書館のカネミ油症コーナーを紹介する動画が公開されました(撮影 2025年3月)。
ご案内くださったのは、五島市のメディカルソーシャルワーカーの山口加寿美さん、聞き手は友澤悠季さん(長崎大学)と林美帆さん(岡山理科大学)です。
この機会にご覧いただき、福江島を訪ねる際には、ぜひお立ち寄りください。
Last Updated: 2025-10-13 by ysc Leave a Comment
ブックレット「カネミ油症問題のいま」発行
YSCでは、1968年に発生したカネミ油症事件を知らない世代であっても、これを読めばカネミ油症をめぐる今日の問題がわかるという入門編として、ブックレット「15分でわかる カネミ油症問題のいま―世代を超える化学物質被害のこれまでとこれから」を作成・発行しました。
ありがたいことに、油症患者が多く暮らす長崎県の地元紙『長崎新聞』では、このブックレットを発刊した経緯やねらい、内容などについて丁寧にご紹介いただきました。
このブックレットは、昨年刊行した冊子『家族の食卓[改訂版]―カネミ油症事件聞き取り記録集』をご購入いただけますと、漏れなく無料で同封いたします(購入先→野兎舎オンラインショップ)。
また、授業や学習会で活用する場合は、ブックレットのみの送付にも対応できますので、ぜひお問合せ先からご連絡ください。
ネット上であれば、ブックレットの全ページを閲覧できますので、下の表紙をクリックしてご覧ください。
Last Updated: 2025-09-15 by ysc Leave a Comment
『YSC ニュース』83号を発行
『YSC ニュース』83号を発行しました。
年4回、会報『YSCニュース』を会員の皆さまにお届けしています。
この機会にぜひ、ご入会ください。
『YSC ニュース』83号(2025.07.14)目次
→『YSCニュース』バックナンバー目次
Last Updated: 2025-09-13 by ysc Leave a Comment
6/15集会「カネミ油症問題のいま」報告
2025年6月15日(日)13:30-1600、豊島区男女平等推進センター(エポック10)において、オンラインとのハイブリッド形式で、集会「カネミ油症問題のいま―世代を超える化学物質被害のこれまでとこれから」を開催しました。
シリーズ「化学物質は世代を超える」の第5回目として企画されたもので、参加者数は、会場18名、オンライン17名、合わせて35名でした。
当日のプログラムは、①「カネミ油症事件とは」(YSC共同代表 山岡央)、②ブックレット『15分でわかるカネミ油症問題のいま』の紹介(YSC運営委員 松村正治)、③冊子『家族の食卓[改訂版]』の朗読(カネミ油症被害者関東連絡会 清水さん・上原さん・高光さん)、④被害者の方からのコメント(曽我部和弘さん・下田順子さん)、⑤質疑応答・フリートーク、という構成でした。
ブックレットが、カネミ油症について初めて知る人にもわかるように制作したので、この機会に基本事項を含めて一から学べるプログラム内容にしました。
参加者アンケートでは、「実際に被害者の声を聴くことで、あらためて油症被害の深刻さを痛感しました」「当事者の方々の痛々しい声が胸に迫り、いたたまれなくなりました。国は何としても責任を取り、一人残らず救済すべきです」などの感想が寄せられました。
オンラインで参加された被害者のお二人は、2日前に油症対策委員会、前日には三者協議に出席されておりました。大変お疲れのところ、この集会にもご参加くださり、貴重なご発言をいただきましたことに、深く感謝を申しあげます。
一方、「聞き書きの朗読は初めて聞きました。冷静に読まれるので被害者の心情が伝わり、被害を受けどんなに辛いことだったろうと自分ごととして感じました」という朗読に対する感想も寄せられました。『家族の食卓』を朗読することにより、被害者でなくてもカネミ油症を伝えることに関わることができるのですから、今後もこの聞き書き集を効果的に活用していきたいと考えています。
今回は、カネミ油症問題に詳しい宇田和子さん(明治大学)が、講義の中で勧めてくださったおかげで、学生の参加が多かったです。ほとんどの学生さんはオンライン参加だったので、会場参加していた学生さんにブックレット10冊を託したところ、宇田さんを介して学生さんにすべて配布してくださったとご報告いただきました。ブックレットが、カネミ油症を学ぶ一歩として役立てば嬉しいです。
集会をふりかえると、会場およびオンラインの参加者から、多くの質疑やコメントなどが交わされ、有意義なイベントであったと思います。YSCの中では、今回の企画内容をベースに、議員会館で国会議員を対象に「カネミ油症問題のいま」を伝える学習会を開き、出席者にはブックレットを渡そうという提案も生まれています。
今後は、聞き書き集と合わせてブックレットも活用し、被害者支援に活かしたいと考えていますので、何かアイデアがありましたら、ぜひお知らせください。
(『YSCニュース』83号より)
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