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事件発覚から56年

2024年10月10日、カネミ油症事件の発覚から56年となりました。
この日の長崎新聞では、世代を超えた被害の実態把握が急務となっていること、また、先月、五島市と同市議会が衆議院厚生労働委員会宛てに、「診断基準の見直しと次世代被害者(2世・3世)の速やかな救済」「認定被害者への健康調査支援金とカネミ倉庫からの一時金の増額」などを要望したことが報じられました。出口太(いでぐち・ふとし)五島市長へのインタビュー記事も掲載されましたが、ネット非公開です。

10/5(土)『家族の食卓』改訂出版記念イベントのご案内

化学物質は世代を超える 第4弾

カネミ油症聞き取り記録集『家族の食卓』改訂出版~被害者の証言を聴き 今できることを考える

私たちはこれまで3回にわたり「化学物質は世代を超える」と題したイベントを開催し、人工化学物質が私たちの生活に及ぼす影響を考えてきました。

カネミ油症事件は、1968年に加害企業であるカネミ倉庫(株)が食用ライスオイル(米ぬか油)を製造する過程で、(株)カネカが製造したPCBを熱媒体として使用し、何らかの原因でPCBが混入した米ぬか油を一般消費者として購入して食べた人々が被害をうけた食品中毒(公害)事件です。
カネミ油症の被害者は、56年経った今も様々な症状や疾病に苦しんでいます。しかも、被害は食べた本人だけでなく、次世代(子や孫)にも及んでいることが明らかとなっています。
現在、国はカネミ油症被害者の次世代への影響を調査しています。この調査は、世代を超える化学物質被害をとらえるために非常に重要ですが、ほとんど知られていません。

こうした現状に対して、まずは被害の実態を周知できればと、カネミ油症被害者支援センターの石澤春美さんと当時のメンバーである水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)が2006年にまとめた冊子『家族の食卓―カネミ油症事件聞き取り記録集』の改訂版を、今年の4月20日に出版しました。この冊子は被害者27家族分の証言を聞いて記録したもので、家族ぐるみの被害のむごさを生々しく伝えています。

今回は、カネミ油症被害者関東連絡会のメンバーに『家族の食卓』からいくつかの家族の聞き取りを朗読してもらいます。その後で、石澤さんと水野さんに聞き取り当時の様子やお気持ちを話してもらいます。会場及びオンライン参加のみなさんに被害者家族の実態をお伝えし、共有した上で、この貴重な冊子をどのように活用していくか、参加したみなさんからご感想やご意見、アイデアをいただき、次のアクションにつなげていきたいと考えています。ぜひご参加ください。

日時:2024年10月5日(土)13:30~16:00

場所:豊島区男女平等推進センター研修室2+オンライン(Zoom)

内容:

  1. カネミ油症事件とは
  2. 『家族の食卓』朗読
  3. 聞き取り当時の状況
  4. 油症被害者のご感想
  5. 参加者のご意見ご提案

参加費:無料 ※保育・手話あり(9/25までに要予約)

定員:会場24名、オンライン50名(先着順、事前登録が必要です)

お申込み:

  • 下記のフォームに必要事項をご記入・ご入力の上、「送信」ボタンをおしてください。
    ※「メッセージは送信されました」と表示されましたら、無事に送信できています。
  • 保育や手話通訳を希望される場合は、上記の手順でお申込みの後、男女平等推進センター宛てにメールで下記情報をお知らせください。
    メールの宛先:A0029117[at]city.toshima.lg.jp ※[at]は@に代えてください。
    保育→①イベント名(家族の食卓)、②お名前、③幼児名(ふりがな)、④年齢(○歳○ヶ月)※6か月以上の未就学児。
    手話通訳→①イベント名(家族の食卓)、②お名前

    以下のフォームに必要事項をご記入・ご入力のうえ、「送信」ボタンを押してください。
    ※「メッセージは送信されました」と表示されましたら、無事に送信できています。

    参加形態(必須)

    住所 (必須) 

    企画:カネミ油症被害者支援センター(YSC)
    後援:カネミ油症被害者関東連絡会、豊島・健康と環境を守る連絡会
    共催:豊島区男女平等推進センター(エポック10)

    ドキュメンタリー映画『母と子』試写会

    「カネミ油症」のドキュメンタリー映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』(監督:稲塚秀孝)の試写会が、長崎、福岡などで開かれました。
    試写会の様子が、メディアで報じられました。

    令和6年度油症検始まる

    厚生労働省から、令和6年度のカネミ油症に係る検診の日程・場所等が公表されました。

    7月11日に五島市玉之浦町でおこなわれた検診の様子が報道されました。

    油症対策委員会・三者協議の報道(2024.6.21-22)

    2024年6月21日、福岡市内で油症対策委員会が開かれ、全国油症治療研究班(事務局:九州大学)は、2021年度から進めている認定患者の子や孫らを対象とした次世代健康調査の分析結果を報告しました。
    先天性異常として「歯牙欠損」が目立つ傾向があること、卵巣予備能が健常な女性と比べて低い傾向が見られることなどが分かりました。また、中原剛士班長は、次世代はダイオキシン類の血中濃度が高くない傾向が認められ、親世代と同じ基準を当てはめられないことも分かりつつあると述べました。

    翌6月22日には、カネミ油症の被害者団体と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による三者者協議が福岡市内で開かれました。次世代被害者の救済に向けた議論が「遅々として進んでいない」という被害者団体から意見が相次ぎましたが、これまでブラックボックスと言われてきた患者認定を判断する研究者らと被害者が直接話す場が設けられる見通しとなりました。

    両日の様子については、複数のメディアで取り上げられました。

    油症対策委員会(2024.06.21)

    三者協議(2024.06.22)