救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う
カネミ油症の原因物質PCBが製造された兵庫県高砂市で、PCBの製造企業カネカの社会的責任を問いかけるため、油症被害者、高砂市民、支援者、全国からの参加者が集まり集会を始めてから、9年目となります。
今年も、高砂、五島、長崎本土、東京の4つの地区の会場をオンライン(ZOOM)で繋ぎ(高砂会場のみ一般入場可)、各会場から被害者や専門家らが発言するリアル&オンライン集会の形式でおこないます。
化学物質の被害は油症被害者の問題だけではなく、誰にも起こりうる問題です。
よろしければ、ぜひご参加ください。
(チラシ画像をクリックすると拡大されます)
日時
2025年11月29日(土)13:30~16:00
場所
ユーアイ帆っとセンター2F(高砂市高砂町松波町440番地の35)+オンライン
※東京、五島、長崎などの会場とオンライン(ZOOM)で結びます。
※高砂周辺の皆様は、ぜひ現地の高砂会場にご参集ください。(会場参加費500円)
プログラム
今年の集会では、各会場からのリレートークに続いて、3月に逝去された五島市の被害者、岩村定子さんを追悼いたします。
前半は、「被害者から聞く―カネミ油症問題のいま」と題して、三者協議・油症対策委員会の課題、次世代調査の現状、未認定被害者問題について、当事者である被害者から報告していただきます。
休憩を挟んで後半は、「いまの課題とどう向き合い、未来へつなげていくか」と題して、保田行雄さん(弁護士)、友澤悠季さん(長崎大学)に、専門家の視点からお話いただきます。続いて、YSCブックレット「15分でわかるカネミ油症問題のいま」を紹介し、高砂と全国のPCB処理の現状を報告します。
その後、カネミ油症をめぐる現状と課題を確認したうえで、各会場から被害者にお話を伺います。さらに、各会場とオンラインでの参加者から自由に発言していただきます。
最後には、集会での内容を組み込んだ集会声明の採択を予定しています。
オンライン参加申込み・問合せ
オンライン参加を希望される場合は、下記の「ご登録フォーム」のリンクからお申込みください。
申込みの締め切りは、11月27日(木)24:00です。
お申込みいただいた後に確認をした上で、個別にZOOMアドレスをお送りします。
なお、何かご質問などがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
共催
カネミ油症被害者全国連絡会
カネミ油症被害者支援センター(YSC)
カネミ油症被害者とともに行動する高砂市民の会(通称 ともに市民の会)
協賛
生活協同組合コープ自然派兵庫
Last Updated: 2025-12-04 by ysc Leave a Comment
11/29第9回高砂集会を開催
2025年11月29日(土)13:30-16:00、第9回高砂集会「救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う」を、高砂現地会場と、東京・長崎・五島の各会場をオンライン(Zoom)で結んで開催しました。参加者は、会場とオンライン(Zoom)を合わせて87名でした。集会の様子については、複数のメディアで取り上げられました。
開会挨拶
各会場からリレーで挨拶
【プログラム1】岩村定子さん追悼
【プログラム2】三者協議、油症対策委員会、次世代調査の現状
【プログラム3】未認定被害者問題
【プログラム4】支援者から伝えたいこと
【プログラム5】ブックレット「15分でわかるカネミ油症問題のいま」紹介
【プログラム6】PCB処理現状報告
【プログラム7】被害者の声を聞く
【プログラム8】各会場からの発言
【プログラム9】集会声明採択
閉会挨拶
Last Updated: 2025-12-04 by ysc Leave a Comment
第9回高砂集会声明
2025年11月29日(土)、第9回高砂集会「救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う」を、現地会場(高砂)と、東京・長崎・五島の各会場をオンライン(Zoom)で結んで開催し、以下の集会声明を採択しました。
カネミ油症の原因物質であるPCBは、株式会社カネカの高砂工業所で製造されました。1968年の事件発生以来、多くの人びとの人生を狂わせ、いまでも痛みや苦しみ、悩みや不安を与え続けている原因が、ここ高砂にあります。
今年も、油症被害の起点である高砂の地に、被害者、支援者、そして問題の解決を願う人びとが、オンライン参加も含め、全国から集まりました。本日の集会で被害者が訴えたように、未認定問題、脆弱な補償体制、そして次世代の健康被害などの課題は、事件から半世紀以上経った今でも解決されていません。被害者が歳を重ね、亡くなる方も増えていくなかで、救済の遅れは取り返しのつかない犠牲をもたらしています。その一方で、被害者の間には、これからどうすればよいのかという閉塞感が漂っています。
だから、私たちはカネカ、カネミ倉庫、国、政治家、メディア、そして参加者の皆さんに向けて、呼びかけます。
まず、カネカの皆さんへ。カネカは、1987年の和解を理由に、その後は被害者との対話を拒絶してきました。たしかに、法的には免責されています。しかし、PCB「カネクロール」を製造したグローバル化学企業として、いまも続くカネミ油症の被害に対して、社会的な責任を果たすべきではないでしょうか。被害者が何よりも望んでいることは、原因物質の製造者との対話です。その呼びかけに応えてください。
つぎに、加害企業であるカネミ倉庫の皆さんへ。被害者のいのちと生活を支える責任を担う企業として、三者協議などの場で被害者の声に耳を傾け、補償の確保と救済の前進に真摯に取り組んでください。
厚生労働省や農林水産省の皆さんへ。現行の診断基準に問題があること、特に次世代には当てはまらないことは明らかです。早急に診断基準の見直しを進めてください。また、現在、被害者は加害企業であるカネミ倉庫の経営状態を心配しています。三者協議などでのやりとりを通じて、「国は私たちを見捨てるのではないか」という疑念を抱いている被害者もいます。国の責務として補償と支援を確実に実行し、被害者の不安に対して目に見えるかたちで応えてください。
国や被害地域の政治家の皆さんへ。2012年にカネミ油症被害者救済法が成立しましたが、被害者の救済は進んでいません。今日のカネミ油症問題をよく理解し、国、自治体、事業者が、それぞれ責務を果たしているかをチェックし、制度の見直しや改善に向けて動き出してください。
メディア関係の皆さんへ。カネミ油症は、過去の終わった事件ではありません。いまも続く食品公害であり、重大な社会問題です。カネミ油症問題の現状や課題を継続的に取材・報道し、社会の関心を高めてください。
最後に、本集会に参加した皆さんへ。今日ここで共有した事実を、それぞれの地域や職場、生活の場に持ち帰り、SNSで発信したり周囲へ知らせたりして、行動の輪を広げてください。
カネミ油症の被害者の人生は奪われ続けています。救済の遅れは、すでに我慢できる限界を超えています。ぜひそれぞれの立場から、呼びかけに応えてください。
私たちは、この呼びかけから、被害者の全面的な救済と公害を繰り返さない社会をつくる対話が始まると信じ、これからも、ここ高砂から発信を続けます。
2025年11月29日
救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う
高砂集会参加者一同
Last Updated: 2025-11-16 by ysc Leave a Comment
11/29(土)第9回高砂集会ご案内
救済されないカネミ油症の被害がここにある―PCBが製造された高砂から問う
カネミ油症の原因物質PCBが製造された兵庫県高砂市で、PCBの製造企業カネカの社会的責任を問いかけるため、油症被害者、高砂市民、支援者、全国からの参加者が集まり集会を始めてから、9年目となります。
今年も、高砂、五島、長崎本土、東京の4つの地区の会場をオンライン(ZOOM)で繋ぎ(高砂会場のみ一般入場可)、各会場から被害者や専門家らが発言するリアル&オンライン集会の形式でおこないます。
化学物質の被害は油症被害者の問題だけではなく、誰にも起こりうる問題です。
よろしければ、ぜひご参加ください。
(チラシ画像をクリックすると拡大されます)
日時
2025年11月29日(土)13:30~16:00
場所
ユーアイ帆っとセンター2F(高砂市高砂町松波町440番地の35)+オンライン
※東京、五島、長崎などの会場とオンライン(ZOOM)で結びます。
※高砂周辺の皆様は、ぜひ現地の高砂会場にご参集ください。(会場参加費500円)
プログラム
今年の集会では、各会場からのリレートークに続いて、3月に逝去された五島市の被害者、岩村定子さんを追悼いたします。
前半は、「被害者から聞く―カネミ油症問題のいま」と題して、三者協議・油症対策委員会の課題、次世代調査の現状、未認定被害者問題について、当事者である被害者から報告していただきます。
休憩を挟んで後半は、「いまの課題とどう向き合い、未来へつなげていくか」と題して、保田行雄さん(弁護士)、友澤悠季さん(長崎大学)に、専門家の視点からお話いただきます。続いて、YSCブックレット「15分でわかるカネミ油症問題のいま」を紹介し、高砂と全国のPCB処理の現状を報告します。
その後、カネミ油症をめぐる現状と課題を確認したうえで、各会場から被害者にお話を伺います。さらに、各会場とオンラインでの参加者から自由に発言していただきます。
最後には、集会での内容を組み込んだ集会声明の採択を予定しています。
オンライン参加申込み・問合せ
オンライン参加を希望される場合は、下記の「ご登録フォーム」のリンクからお申込みください。
申込みの締め切りは、11月27日(木)24:00です。
お申込みいただいた後に確認をした上で、個別にZOOMアドレスをお送りします。
なお、何かご質問などがございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
共催
カネミ油症被害者全国連絡会
カネミ油症被害者支援センター(YSC)
カネミ油症被害者とともに行動する高砂市民の会(通称 ともに市民の会)
協賛
生活協同組合コープ自然派兵庫
Last Updated: 2025-10-13 by ysc Leave a Comment
油症制度の日本と台湾の比較が新聞記事に
2025年10月10日、1968年にカネミ油症事件が発覚してから、57年が立ちました。
日本の油症被害者は患者として認定されないと補償されませんが、同様の油症事件が発生した台湾では、登録制度によって被害者救済が進められてきました。
この油症制度の違いにフォーカスした記事が『長崎新聞』に掲載されました。
Last Updated: 2025-09-14 by ysc Leave a Comment
五島市カネミ油症被害資料展示コーナーがYouTubeで紹介
公害資料館ネットワークは、2022年度から「公害資料館バザール」と称して、全国各地の公害資料館を紹介するYouTube動画を制作・公開しています(地球環境基金助成事業)。
このたび、五島市福江島の勤労福祉センター内にある「五島市カネミ油症被害資料展示コーナー」と、五島市立図書館のカネミ油症コーナーを紹介する動画が公開されました(撮影 2025年3月)。
ご案内くださったのは、五島市のメディカルソーシャルワーカーの山口加寿美さん、聞き手は友澤悠季さん(長崎大学)と林美帆さん(岡山理科大学)です。
この機会にご覧いただき、福江島を訪ねる際には、ぜひお立ち寄りください。
Last Updated: 2025-10-13 by ysc Leave a Comment
ブックレット「カネミ油症問題のいま」発行
YSCでは、1968年に発生したカネミ油症事件を知らない世代であっても、これを読めばカネミ油症をめぐる今日の問題がわかるという入門編として、ブックレット「15分でわかる カネミ油症問題のいま―世代を超える化学物質被害のこれまでとこれから」を作成・発行しました。
ありがたいことに、油症患者が多く暮らす長崎県の地元紙『長崎新聞』では、このブックレットを発刊した経緯やねらい、内容などについて丁寧にご紹介いただきました。
このブックレットは、昨年刊行した冊子『家族の食卓[改訂版]―カネミ油症事件聞き取り記録集』をご購入いただけますと、漏れなく無料で同封いたします(購入先→野兎舎オンラインショップ)。
また、授業や学習会で活用する場合は、ブックレットのみの送付にも対応できますので、ぜひお問合せ先からご連絡ください。
ネット上であれば、ブックレットの全ページを閲覧できますので、下の表紙をクリックしてご覧ください。
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