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『YSC ニュース』72号を発行

YSCの会報『YSC ニュース』72号を発行しました。
会員のみなさんには、年4回、会報をお届けしています。
この機会にぜひ、ご入会ください。

『YSC ニュース』72号(2022.07.18)目次

  • 「化学物質は世代を超える カネミ油症次世代調査から考える」開催 [1]
  • 油症対策委員会・三者協議の参加報告(カネミ油症被害者全国連絡会) [2-3]
  • 油症関連記事 [4]
  • 次世代調査 油症検診参加への呼びかけ [5]
  • エポック10「化学物質は世代を超える カネミ油症次世代調査から考える」報告 [6]
  • 全国公害被害者総行動省庁交渉報告 [7]
  • 活動報告・活動予定・編集後記 [8]

『YSCニュース』バックナンバー目次

被害者団体が国に要望書を提出

7月5日、カネミ油症全国被害者連絡会は、厚生労働省の会議室にて省庁交渉をおこない、国(厚生労働大臣・農林水産大臣・文部科学大臣)に対して要望書を提出しました。

被害者側は、健康実態調査への協力金の増額、被害者の同居家族の被害認定を含む次世代被害者の救済などを求めました。

国側からは前向きな発言もあり、2023年1月の三者協議で回答が示される見通しです。

「国側から「検討する」前向きな発言も…カネミ油症被害者が厚労省に要望」(テレビ長崎、2022.07.05)

油症対策委員会・三者協議が対面で開催

2022年6月24日、油症対策委員会(非公開)が開かれ、全国油症治療研究班(事務局・九州大学)から被害者団体に向けて、次世代被害調査の進捗状況が報告されました。

25日には、被害者と国、カネミ倉庫による第19回三者協議が福岡市内で開催されました。
被害者側は入院時の食費を医療費として支給するように求めましたが、今回も議論は平行線をたどりました。

『家族の食卓』 朗読会のご案内

『家族の食卓』 朗読会

日時:2020年6月26日(日)14:00-16:00
場所:としま産業振興プラザ(IKE・Biz)3Fエッポック10 研修室1

美容と健康に良いと宣伝し、売られたカネミの米ぬか油。
家族の健康を願い、天ぷらや炒めもの等に使った油でしたが、この油には猛毒のPCBとダイオキシン類が混入していました。
西日本一帯に拡がった≪奇病≫の原因が新聞報道されてから54年になる今も被害は2世・3世にまで及び苦しんでいます。

どういう症状なの?

カネミ油症被害者支援センターの石澤春美さんと水野玲子さんが、何年もかけて被害者の方々に聞き取りをされて、事件から38年が過ぎた2006年に、聞き取り集『家族の食卓』にまとめて下さっています。
その記録集発行からも、さらに16年余が過ぎてしまいましたが、改めて、この聞き取り集をみんなで声を出して読み合い
今も続く被害の大きさと深刻さについて考え話し合い、交流していけたら良いなと思います。
みなさま、どうぞ、お気軽にご参加下さい。
お待ちしておりま~す♪

主催:カネミ油症関東連絡会『家族の食卓』 朗読会
連絡先:080-5078-2573(佐藤禮子)

「化学物質は世代を超える-カネミ油症次世代調査から考える」開催しました

昨年から進められているカネミ油症次世代被害の健康実態調査を踏まえ、6月12日(日)に池袋で「化学物質は世代を超える―カネミ油症次世代調査から考える」を開催し、オンラインを含め65人が参加しました。


以下に、参加者アンケートで寄せられたご意見・ご感想をいくつか掲載します。

  • カネミ油症被害者の方々が、何も改善されない認定基準に悩まされていることがよくわかりました。この被害を風化させてはならない、救済措置を即刻講じるべきだと強く感じました。また、私はカネミ油症について大学生になってから初めて知りました。若年層のほとんどがこの問題を認識していないことに危機感を感じました。被害者の方々を置き去りにして時間が経過していく現状は残酷であると思いました。この問題に対して、私たちには何ができるのだろうかと考えさせられました。貴重な講演をありがとうございました。
  • (1)次世代調査は重要な観点なので、録画出演とはいえ、油症研究班から中間報告を現段階で示してもらえたのは有益(判断材料の提示という意味で。次世代への血液検査ではかえって一般と同じ、という結果が出うるという中村梧郎さんの発言に繋がるなど)だと思いました。(2)水野さんの基調講演は廃棄物問題であれだけ問題点として指摘されていたのに未だ状況は変わっていないということを気づかせてもらえて非常に良かったです。現代社会に生きるわれわれは「微量ならば安全」神話を今一度、肝に銘じないとまずいと思いました。
  • 水野玲子氏の化学物質毒性の総論は大変参考になりました。辻学氏らの取り組みには期待しますが、血中ダイオキシン濃度の測定が2世代以降のカネミ油症被害の立証に役立たないようなお話でしたので、再びその濃度測定はどの程度意味があるのかと思いました。むしろ遺伝子のエピジェネティック的異常の検討はできないものかと思いました。カネミ油症の被害者方の心労は計り知れません。時間的問題もあり、早く解決できたらと思います。それと被害者の方が緊急的に一番望んでいることが何かを知りたく思いました。例えば、カネミ油症疑似陽性として、それについて医療費を無料にできないかとか・・。
  • 次世代で血中のダイオキシンを測定するなどと言うことは愚の骨頂です。ダイオキシンが残存している訳はありません。調べるのならエピジェネティクス関連の生化学的な変化を二代(あるいは三代)にわたって調べるべきです。カネミ症の被害者の方々にはお気の毒だと思うとともに、世界でも類を見ない食品公害の作用機作を解明し、人類の未来を見据えてゆくべきだと思います。だと思います。カネミ症は残念ながら人類にとっての壮大な実験であったと思います。
  • 日ごろ会報を拝読しておりましたが、改めて水野さんの講演や被害者の方々のお話を非常に深刻に受け止めました。最近ダイオキシンや環境ホルモンのことをあまり聞かなくなっているのが不可解で、ある種怖さを感じます。
    何年も集会に参加できずにおりましたのでこのたびオンライン参加ができて有難く思っています。国が放ってしまった問題に取り組み、何十年もの間闘い、ご尽力を続けその間少しづつ国を動かし今なお活動を続けられ、本当に頭が下がります。次世代の問題もその重要性を早くから主張されていたと記憶しております。
  • 水野先生のお話は被害者の皆さんや会場からの意見にもありましたように、大変包括的でわかりやすく、勉強になりました。エピジェネティック変異というものがあるという事だけは10年以上前から当方知ってはいましたが、これを踏まえてカネミ油症研究そのものの方向性を変えるような提案が複数なされているのを見て、血中ダイオキシン濃度にこだわってきた油症認定基準それ自体が再度問い直されるような状況かと思います。下田恵さんが15回も認定申請をしていずれも却下されるというような、理不尽な基準は科学的に見てもどこか不足があると考えるのが自然なので、カネカによる正当な範囲と金額の補償賠償の実現と並んで、油症研究班に対する要望も各方面から出していく必要があると考えました。
  • 毒素を胎盤は通さないの通説を覆したのは胎児性水俣病を明らかにした原田正純先生ですが、同様なことはカネミでも同様なことがあったと良く解りました。また、ベトナム戦争参加のアメリカ兵を父親の持つ子供に女児が多いなど、化学物質の人体への影響も良く解りました。
  • 被害者が患者認定をされない無念は、聞いていると辛くなりますが、だからこそ沢山の人が聞いて、この無念を社会全体が共有し、解決へ向けるべきだと感じました。被害者の方々にはこれからも具体的な生の声をどんどん訴えてほしいですし、そのための支援をしたいと思います。
  • 水野玲子氏の講演では、環境ホルモンと子供の発達障害または胎児性水俣病に関する点についてとても勉強になった。この講演会は市民向けのため、専門用語が少なくしていただいて、そして分かりやすく説明していただいたのがありがたい。「複合汚染」の時代、発達障害の子供の数が増えているのがとても懸念だと感じる。辻学氏の講演では、いろいろ情報を共有していただいて助かった。・・・カネミ油症被害者のお話が伺うことができたのが今回の講演会での大変有意義なセクションだったと思う。被害者のお話以外、顔そして感情表現が見られるのがとてもありがたい。
    イベント全体はとても良いと思う。講演と対話の形で内容が分かりやすかったし、スタッフも親切だった。そして、時間の利用がバランス良くとても素晴らしいイベントだと感じる。