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油症対策委員会・三者協議の報道

1月12日、福岡市内で油症対策委員会が開かれ、全国油症治療研究班は歯牙欠損を訴える次世代が多いとして今後解析を進めていく方針を示しました。
翌日13日には、被害者団体、国、カネミ倉庫による3者協議が福岡市内で開かれました。
両日の様子については、複数のメディアで取り上げられました。

『毒の油を口にして~カネミ油症事件50年』が視聴できます

RKB毎日放送NEWSのページで、2019年「地方の時代」映像祭で選奨受賞となったドキュメンタリー作品「毒の油を口にして ~カネミ油症事件50年」(2019年5月27日放送、47分)が視聴できます。
ぜひご覧ください。


「カネミ油症事件」は1968年に発生した、国内最大の食品公害事件。北九州市のカネミ倉庫が製造した米ぬか油に混入していた猛毒ダイオキシンが、福岡、長崎を中心とした西日本一帯で多大な健康被害をもたらした。被害を訴えた人は当時約1万4,000人にものぼる。カネミ油症はダイオキシンを口から摂取するという前代未聞の出来事で、その症状は多岐にわたる。またダイオキシンは体内から排出されにくく、被害者の健康被害は今なお続く。被害の拡大を防ぐべきだった国は、初期の対応を失敗して被害を深刻化させたが、裁判で結局その責任が認められなかったために、今、この問題への対応は極めて消極的だ。さらには、認定制度によって多くの被害者が未認定として救済から切り捨てられている。加害企業カネミ倉庫は小さな会社で、その補償は被害者を救うには全く不十分だ。そして、油症被害者の親から生まれた次世代の子ども達にも様々な健康被害は起き、その救済がこれからの最大の問題となる。油症事件発生から半世紀。今なお苦しみの中にある被害者たちが置き去りにされている。

阿部知子さんの質問と内閣の答弁

衆議院議員の阿部知子さん(立憲民主党)が、「カネミ油症患者の全面救済とカネミ油症事件の検証等に関する質問主意書」を12月8日に提出したところ、その答弁が12月22日に通知・受領されました。

質問および答弁の詳細については、衆議院サイト内該当ページをご覧ください。

第7回高砂集会を開催しました

2023年12月2日(土)13:30-16:30、第7回高砂集会「PCB(ダイオキシン)被害は世代を超えた~カネミ油症の責任を負うべきは誰か?―カネカの社会的責任を問う」を高砂現地会場(ユーアイ帆っとセンター)と東京・福岡・長崎・五島の各会場をオンラインで結んで開催しました。参加者は、会場とオンライン(Zoom)を合わせて80名でした。
集会の様子については、複数のメディアで取り上げられました。

  • 日時:2023年12月2日(土)13:30-16:00
  • 会場:ユーアイ帆っとセンター2F(高砂市高砂町松波町440番地の35)、東京・福岡・長崎本土・五島、オンライン
  • 参加者:80名
  • 内容:
    開会挨拶
    各会場からリレーで挨拶
    【プログラム1】PCB 処理現状報告
    【プログラム2】カネカとの最高裁の和解について
    【プログラム3】カネミ油症次世代調査報告についての見解
    【プログラム4】カネミ油症次世代調査報告について被害者が座談会形式で語る
    【プログラム5】カネミ油症被害者の声を聞く
    【プログラム6】福島原発事故被害者からの発言
    【プログラム7】集会声明採択
    閉会挨拶
  • 共催:カネミ油症被害者全国連絡会、カネミ油症被害者支援センター(YSC)、カネミ油症被害者とともに行動する高砂市民の会(通称ともに市民の会)
  • 協賛:生活協同組合コープ自然派

第7回高砂集会声明

2023年12月2日(土)、第7回高砂集会「PCB(ダイオキシン)被害は世代を超えた~カネミ油症の責任を負うべきは誰か?―カネカの社会的責任を問う」を、現地の高砂会場と東京・福岡・長崎・五島の各会場をオンラインで結んで開催し、以下の集会声明を採択しました。


カネミ油症の原因物質であるPCBが製造されたここ高砂の地で、油症被害者、高砂市民、支援者、全国からの参加者が集まり集会を始めてから、7回目の開催となります。

今年6月、国による実態調査に基づいたカネミ油症次世代被害の報告が出されましたが、被害者の期待した内容には程遠く、親と同じ症状で苦しんでいるのに、半世紀という時間がその症状と油症との因果関係を希薄にしています。認定されない次世代被害者が訴える先はどこにもありません。これが化学物質被害の現実なのです。

2012年にカネミ油症の救済法が成立して以来、被害者は、カネミ油症の原因物質PCBを製造したカネカへの対話を求めてきましたが、カネカは36年前の最高裁での和解を理由に門を閉ざしたままです。その理由がいかに理不尽で無責任であるか、今日の集会で明らかにされました。

PCB廃棄物の処理費用は、製造業者ではなく、保管事業者、国、自治体が負担し、多額の税金が使われています。にもかかわらず、国内PCBの96%を製造したカネカのPCB廃棄物の処理は未だ続いています。
1968年にカネミ油症事件が発覚したにもかかわらず、製造禁止になるまでPCBを増産し続けた結果が、半世紀先の次世代の問題を新たに生み出しました。被害の連鎖は消えることはなく、カネカの社会的責任は重大です。

PCB汚染を共に経験した油症被害者と高砂市民は、次世代被害を含む油症被害の全面救済とPCBの安全な処理を求めて、PCB製造企業カネカの社会的責任を訴え、今後もこの高砂の地、及び全国から発信してゆきます。

2023年12月2日

「PCB(ダイオキシン)被害は世代を超えた~カネミ油症の責任を負うべきは誰か?―カネカの社会的責任を問う」高砂集会参加者一同