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設立趣旨

カネミ油症被害者支援センター 設立趣旨

1968年、今から34年前のことですが、長崎や福岡、佐賀など西日本一帯で1万人以上に及ぶ「油症」被害が発生しました。原因調査の結果、当時健康食品といわれたカネミ倉庫製造の「ライスオイル(米ぬか油)」中に猛毒のPDB(ポリ塩化ビフェニール)が今夕したために起きた人体被害であることから、「カネミ油症(ライスオイル)事件」と称されました。
この被害の原因物質は、当初PCBと考えられていましたが、その後の研究で、PCBが熱媒体として使用されている間に生成した強毒性のポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)が主な原因物質であり、それに極微量の強毒性のダイオキシン(PCDD)及びコプラナPCBの毒性が加わった複合汚染による食中毒であったことが判明しています。
しかし、これまで国はこのことを公式に認めてきませんでした。しかも、「油症被害」と認定された患者は、わずか1871人にすぎず、大多数は未認定のまま放置されています。さらに、当時母親の胎内にいて被爆した胎児性油症被害者や、その後被害者の親から生まれた2世、3世の子どもたちについては、追跡調査すらされていません。

数年前から、ゴミの焼却等によって発生するダイオキシン汚染問題に取り組んできた私たちは、ある油症被害者との出逢いから、このカネミ油症が「日本最大のダイオキシン被害」であること、そして「油症事件はいまだ解決していない」問題であることをあらためて知り、2年前から患者さんらと未認定被害者の掘り起こし、自主検診、国(厚生労働省・農水省)との交渉などを進めてきました。
その結果、昨年12月、坂口厚生労働大臣が国会答弁で、油症被害の主たる原因物質がジベンゾフランであることを公式に認め、その観点に立った医療救済に前むきに取り組んでいくことを表明しました。
このことが機で、これまで30有余年、“諦めと沈黙”を強いられてきた油症被害者、特に若い未認定の被害者の中から、私たちの呼びかけに応じて被害のありのままをみずから口で語り、多くの被害者のために一緒に取り組みをはじめようといおう、あらたな動きがようやく始まろうとしています。

カネミ油症被害者は、決してライスオイルを食した被害者だけの問題ではありません。今日、様々なダイオキシン発生源による汚染の影響を強く受けている私たち、そして次世代の人たち全ての健康に関わる問題だと思います。
私たちは、今、油症被害の全体像を明らかにすることが、ダイオキシン被害の根絶にもつながるとの確信を抱いています。
本日、2002年6月28日、日本最大のダイオキシン被害「カネミ油症」の恒久救済を求めて、「カネミ油症被害者支援センター」を設立いたしました。

カネミ油症被害者支援センター代表世話人
佐藤禮子
石澤春美
大久保貞利

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