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補足情報

仮払金返還問題

1969年2月に福岡民事訴訟を皮切りに計9件の訴訟が提起され、そのうち全国統一民事第一陣の第二審と全国統一民事第三陣の第一審では国の責任が認められ、国は約25億円の仮払金を支払った。しかし1986年、最高裁判所で逆転敗訴となる事が判明し、敗訴にともなう仮払金の返還命令を回避するため、苦渋の選択で1987年、国への訴えを取り下げた。

判決が最終確定する以前に受け取った損害賠償金の仮払金は、国への訴訟手続取り下げで不当利得金となり、原告らは国に返還しなければならなくなった。

国は、債権管理法の定めに従い10年の時効となる前年の1996年6月、返還を求める通知を原告本人や死亡原告の相続人に対して送付した。被害者のなかには、夫や妻、子どもたちに、自身がカネミ油症被害者であることを秘匿していた者も少なくなく、この、国の返還請求措置により、離婚に追い込まれた夫婦や将来を絶望し自殺した者も出るなど大きな悲劇が発生した。

多くの被害者が油症による健康被害のため満足に働けず収入の道を断たれて生活苦にあえいでいる状況で、被害者らの運動に押されて、2007年6月「カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律」が制定され、即時施行された。この法律により、債務を負った原告の約9割が返還免除の対象となり、残りの債務者についても分割返済など調整が行われ、仮払金返還問題は決着をみた。

公害など被害者への補償内容

  サリドマイド

水俣病(政治決着を除く)

大気汚染 カネミ油症
補償・救済の枠組み 原因企業・国との補償協定 公害健康被害補償法/原因企業「チッソ」との協定に基づく補償 公害健康被害補償法 カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律(2007年6月施行)/カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律(総合推進法)
認定のしくみ 被害者指定の医師らによる委員会が審査 本人の申請で県公害被害者認定審査会が判断 指定地域を管轄する自治体の長が認定 年1回行われる検診を受け、その結果を県(福岡、長崎)と全国油症治療研究班(国の組織ではない)が総合的に判断。
総合推進法施行により、家族内に認定者がいる場合は、従前の診断基準によらず、申請のみで認定される。
生活補償 900万円~4,000万円の賠償金

1,600万円~1,800万円の慰謝料/特別調整手当(年金)

月額約13万円~約36万円の障害補償費 国:年額19万円(総合推進法)
カネミ倉庫:認定時に見舞金22万円(1回のみ)
医療費の自己負担分の支払い
年額5万円(総合推進法)
遺族補償

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