1968年(昭和43年)、カネミ倉庫社製の米ぬか油に混入していたPCB・ダイオキシン類を摂取した方々が甚大な食中毒被害に遭われました。自覚症状があって申請を求めても被害者として認定されないケースが多く、また、直接的には油を食べていない子や孫(2世・3世)にも被害が及んでいると考えられていますが、基本的な追跡調査さえ実施されていません。 事件発生から50年以上の歳月が流れましたが、カネミ油症はいまだに終わっていないのです。
NBC長崎放送は、今年6月に予定されているカネミ油症被害者の次世代(子・孫世代)健康調査の結果公表を前に、現在問うべき問題を掘り下げて取材した3部作を制作しました。
担当は、古川恵子さんです。
カネミ油症事件は発生から今年で55年となりますが、これまでの経緯について知らなくても、いま何について考える必要があるのかを理解できる内容になっています。
また、映像全部を見ることはできませんが、内容は詳細にウェブページ上に記載されていますので、これは必見です。ぜひご覧になってください。
2023年3月15日、令和4年度カネミ油症行政担当者会議が書面開催されました。
厚生労働省のウェブサイトに、多くの資料が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
なお、議題は以下のとおりでした。
長崎県は、知事の諮問機関である長崎県油症対策委員会からの答申を踏まえ、令和4年度にカネミ油症一斉検診を受診した認定検査対象者64名に対して五島市在住の80代女性の方1名をカネミ油症患者として認定し、同居家族として認定された3名とあわせて、新たに4名が認定されたことを発表しました。
福岡県は、油症患者診定専門委員による診定結果の報告を受け、令和4年度にカネミ油症一斉検診を受診した未認定者41名に対して、患者認定0名、経過観察1名と発表しました。
多くの住民がカネミ油症事件の被害にあった長崎県五島市で、2024年度(平成6年度)から小学5年生と中学2年生で油症について学ぶカリキュラムが組み込まれることになりました。
来年4月からの完全実施を前に五島市立大浜小学校では、今年度、指導案の検証授業が実施されており、2月27日には被害者の岩村定子さんを招いて授業がおこわれました。
2021年から油症被害者の次世代の健康影響について、国による実態調査が進められています。
このような状況を踏まえて、YSCが2022年6月12日に開催した「化学物質は世代を超える〜カネミ油症次世代調査から考える」では、水野玲子さん(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)に基調講演「化学物質は世代を超える:過去の事例から学び、未来に活かす」をお願いしました。
このたび、その基調講演の動画をYouTubeにアップしたので、ぜひご覧になってください。